真実　★★★★★

2000年、韓国ドラマ、全１６話 (CAST)　ジャヨン・・チェ・ジウ 　　　　シニ・・・・パク・ソニョン 　　　　ヒョヌ・・・リュ・シウォン (Story) 　シニ、ジャヨン、ヒョヌの三人は飲んだ後、 シニが運転した車で次のお店に行く途中、事故を起こしてしまった。 軽症ですんだシニは、意識がない同乗者のジャヨンを運転席に座らせた。 病院でめざめたシニは警察から事情を聞かれた時、ジャヨンの運転とウソをつく。 ジャヨンは植物状態、ヒョヌも意識回復する見込みのない重態であり、 真実はそのまま隠ぺいすることにした。 意識不明の二人を見ながら、シニは昔を回想していく・・シニとジャヨンの高校時代。 　ジャヨンの父親は国家議員であるシニの父親の運転手を務め、 一家してシニの家の地下に住んでいた。シニとジャヨンは同じ高校に通っていたが、 優等生のジャヨンに対して、シニは劣等感を感じていた。 父親から成績のことで叱られたシニは、お金と権力を使い、 ジャヨンにカンニング、入試では替え玉をさせ、一流の大学に入った。 しかし、自分が恋焦がれるヒュヌはジャヨンに想いを寄せることを知る。 嫉妬に狂ったシニは、金持ちの娘と勘違いしてジャヨンに近づいたことのあるスンジュを使い、 二人の仲を引き離そうとする。 (Review) 　衝撃的な事故のシーンから始まり、真実を隠ぺいするシーンに釘付けになりました。 　その後は回想シーンであり、金持ちのわがままな女の子とその家に仕える貧乏だけどがんばりやの女の子という設定は、 ひと昔前のドラマ、少女漫画のような展開です。 その貧乏な女の子の役に「冬ソナ」のユジン役のチェ．ジウ。 泣かせるならば世界一といわれるだけあって、今回も泣く、泣く。 彼女と金持ちも息子のヒュヌとの恋愛は、どんな邪魔が入ろうとも愛を貫きとおすカップルであり、 本当にひと昔前のドラマのようです。 　お金と権力でジャヨンを踏み台にしてまで欲しいものは手に入れようとするシニは、 ジャヨンに対してコンプレックスがあり、気持ちはわかるとはいえ同情する価値なし。 また、自分が恋心寄せているヒュヌはジャヨンに恋心抱いていることを知り、 嫉妬に狂い、スンジュを使い、あの手、この手を使うあたりは、まさしく憎まれ役でした。 でも、話の面白さは後半からの事故後の話です。 ここからはネタばれになるので隠し文字↓ 　シニは植物人間となったジャヨンに罪をなすりつけますが、それは苦しみのはじまりでもあります。 　市長選を控える父親のため、家族のために一家は真実を隠ぺいしますが、 スンジュはその事故の現場を見ていて、恐喝していきます。 否応なしスンジュの要求をのみ、シニもスンジュと婚約を承諾します。 野望に上り詰めようとする男と真実の隠ぺいに苦しむ女性。 を貫き通そうとするジャヨンとヒョヌよりは、この２人を見ていた方が面白いです。 皮肉かな、意識不明だったふたりは眠りから覚め（絶望と言われていたのに、このあたりはやっぱドラマやな）、 しだいに追い詰めれていき、最後は正義が勝ちました（笑） 　人間というものは欲しいものを手に入れた後、失うことが怖いもの。 地位や名誉、権力は人を犠牲にする、その一番の犠牲者はシニでした。 彼女はある意味では父親の足をひっぱる存在でありましたが、 彼女なりに父親に振り向いて欲しい、家族思いの女の子でした。 追い詰められた時、彼女は一番必要としている人は誰かも気づいていきます。 「何不自由なく育った私と貧乏がイヤだったあなたが慎ましく暮らしていけると思う？」 と、シニがスンジュに語りかけた言葉、私もそう思いましたね。 彼女は何もかもなくして、一から出直そうとはしない、何か頼ることしか出来ない、愛し方の知らない女の子、シニ。 その結果は衝撃的な最期を迎えてしまいました。 生きて、スカーレット．オハラのように強くあってほしかったです。 -Back-