天使の誘惑　★★★★☆

2009年、韓国ドラマ、全21話 (Cast) シン・ヒョヌ・・・ペ・スピン チュ・アラン・・・イ・ソヨン ナム・ジュスン・・キム・テヒョン (Story) 　幼いころ、事故で両親を亡くし、妹と生き別れとなったアランは、 不幸な子供時代を過ごし、ホステスとして生活を立てていた。 　ある日、両親の死は事故ではなく殺害と知った時、復讐の炎が燃え上がった。 仇の息子ヒョヌと結婚し、順調に復讐を実行していく。 ある日、ヒョヌに自分の過去を知られてしまい、彼を交通事故で植物人間にしてしまう。 　ヒュヌを犠牲にしたことで、仇の一家を不幸にし、会社も手にしたアラン。 一方、蘇ったヒョヌは、運動と整形で別人になりすまし、妻に復讐の刃を向ける。 (REview) 　両親の殺した敵の嫁として嫁ぎ、復讐を確実に実行していく。 一方、信じていた妻が天使の仮面をかぶり、自分を不幸に追い詰められた夫は復讐に燃え、 失ったものを取り返そうとする設定に真新しさはありません。 　手を汗握る緊張感。秘密がばれるかと思いきや、するりと交わすスリル感があります。 復讐ｖｓ復讐のバトルが過熱し、逆転に次ぐ逆転は見ごたえがありました。 ここからネタばらし↓ 　妻アランが復讐に燃えたのは、２５年前の両親の事故死が殺害とわかったため。 彼女の不幸な生い立ちから、復讐の動機がわかるので感情移入しやすいです。 逆に主人公でも、復讐の道具にされ、自分は亡きものにされ、 何もかも失い、妻に復讐しようとしたヒョヌに対しては、何にも魅力ありません。 そりゃ、アランの過去を知らずに彼だけを見ていたなら、ジョヒのようにアランが悪女だと思うでしょう。 　そもそも復讐バトルの原因を作ったのは、シンの奥さま。 ３０年前、浮気してジョスンを産んだのも、２５年前、秘密がばれそうになって、アランの両親を殺したのも、みんな彼女。 彼女の自分勝手な行動で人々を不幸にしてしまうばかりでは物足りないとばかり、 自分が死ぬ時も、アランに罪をかぶせ、ジュスンを不幸に落としこむ。 ブレーキがきかない車に乗って事故を起こせば、真っ先に疑いをかけられるのはアランでしょうが。 死んでから、遺書が届いてからでは遅いだよ～！！！！ 家族やアランたちは、それに巻き込まれたにすぎない。 確かにシン氏の妻に対する暴力が原因かもしれないけど、イヤだったら、別れればすむことだし。 なんで別れなかったか、浮気した息子を隠してまでシン夫人として生きたのは、シン家の奥さまにしがみつきたかったから？ 　一番哀れなのは、ジュスン。 知らなかったとはいえ、近くに母がいるとは知らず、秘書の息子として「奥さま」と呼び、知ってからは拒絶され、 いつも気にかけるのはキョヒのことばかり。 唯一の彼の大切なアランまで失ってしまって。 そのアランの夢は普通に生活すること、もし、あの忌々しい事故がなければ、普通の女性として生活できたであろうに。 ジュヒもキュヌと結ばれただろうに。それをみな壊した奥さま、罪深きお人でございました。 救いといえば、姉妹愛の復活でしょうか。 -